









Out Line
3DCGを触れていく中で、心躍らせ輝く眼差しで初めて作品作りしていた頃の
自分を思い出した。作品を制作する上で初心に戻り、考えた結果
「輝き」、「力強さ」、「勢い」のキーワードが浮かんだ。いつの間にか
色んな事を知りときめきがなくなった自分。
磨けば、まだ輝けるんじゃないかと自然とダイアモンドをモデルとし制作した。
ダイアを終始、変容かエフェクトを加えストーリーの流れを作った。
映像は前半(Aパート)、後半(Bパート)と分かれている。
MAYAでモデリングしHoudini内でエフェクト、マテリアル、アニメーション、ライティング
レンダリングしAfter Effects,Premiere Proで編集、コンポジットした。
早い段階から、簡易的にレンダリングしプリビズ映像を制作。
また気になる点があればリテイクを繰り返し、最終的に本番レンダリングし
完成させた。
Image Board






ダイアモンド1つで、どう多用に変容させるか、エフェクトを加えるか
スケッチしアイディアを絞っていった。
Story Board

Ver1

Ver2

Ver3
絵コンテは3回改稿した。上記左からver1,2,3の最初のページ。
コンテでイメージが固め映像の段取り展開の流れ決めた。
途中ダイアモンドモデリング後、コンテと並行しHoudiniのエフェクト等の
チュートリアルを取り入れる期間を設けた。
その結果Ver3でAパート,Bパートとして分ける構想を得た。*当初ver1-2までBパートに
あたる部分のみ。展開としてはAパートはゆっくりみせBパートは急速させ緩急を
つけた。自身のキャリアが撮影業だった事があり、スタジオ撮影の背景から
解放し空の場面へと転換する演出をした。
Ver3 Story Board

No1

No2

No3

No4

No5

No6

No7

No8
Diamond Modeling

Maya

Houdini内マテリアル確認
MAYAでモデリングしHoudini内に移行しマテリアルを割り当てた。
ダイアモンドのモデリングする際に参考になるサイト、YouTubeのチュートリアル動画を
参考にしモデリングを行っていく。
Effect
Scene1 Cut7 Effect Set Up

完成カット
黒背景から空に移行しダイアモンドが登場するシーン。

黒いコーティングされた物体が溶けてダイアになるエフェクトシーン。
エフェクトは3つに分かれる。下記画像参照。
ダイアにコーティングされているエフェクト
メインのパーティクルA
ゴールドメッキがついているパーティクルB

effectC set up

effectC

effectB set up

effectB+effectC

effectA set up

effectA+effectB+effectC
ゴールドマテリアルと黒色のマテリアルをブレンドした。
Scene3 Cut1 Effect Set Up

完成カット

Set Up



このシーンでメインのダイアが常に変容する。
Houdiniでエフェクトのセットアップした。nullのコントロールを作り
セットアップした物と紐づけダイアの角度、変容具合を決める。
背景となるキューブ

キューブセット図

キューブセット図2
nullでキューブをコントロール。
画面からみてキューブを常時、時計回転させた。
背景キューブの角数をアニメーションさせ常時変えた。
そのためfit noiseを使用。
実際入力したVEXコード fit(noise($T,$T,$T),0,0.5 , 4,10)

fit noise 1

fit noise 2

fit noise 3
Pre Visualization
作品の全体を把握したいためエフェクト制作途中の段階からプレビズ制作を開始した。
下記 左:プレビズ画像、右:完成画像。










クオリティは気にせず早い段階からプレビズ映像を作った。
ダイアの動き、アニメーション、カメラワーク、エフェクト、演出のタイミングを
固め決めていった。絵コンテ通りの表現が可能なのかという理由もあり検証。
Houdiniで各シーン事に作ってはレンダリングし解像度は1/5の設定(480×270)で
レンダー数値もかなり抑えた。
Premiere Proで画像を読み込み、それを繰り返して、どんどん映像の全体の掴んでいった。
プレビズ制作で決めなければならない事は決めていったのでスケジュールは
レンダリングまではスムーズに進行した。
Lighting
ダイアモンドをレンダーしてライティング結果をみるため、どのシーン、カットも
まともにライティングしたら、かなりの時間が掛かる事が想定された。
レンダリングエンジンがHoudiniのMantraのため、より遅延すると思われた。
その負担を減らすため、Bパートは特になるべくライティングをしない
ライティングを意識した。
また制作当初ストーリーの舞台をどうするか難航していた。場所によってはその物の
映り込みが悪く見えてしまう。その解決策として青空を舞台とする事にした。
背景はHDRIの青空を使用。ダイアの映り込みをカバーしライティングの方向性を決めた。
Scene1 Cut1 Lighting

完成カット

トップライト

トップライト+メインライト

トップライト+メインライト+下手アッパーライト
Aパートは黒ダイアモンド、背景色も黒なので同一化しないようにライティングした。
逆光ライトでタッチを付けフロアに光を漏らし見やすくしている。

Scene1 Cut1 セット図A

Scene1 Cut1 セット図B
Scene3 Cut2 Lighting

完成カット
このカットは日中シンクロと言う撮影技法でライティングした。
このシーンのライティングはHDRIの光と雷の発光のみ
HDRIは主に3つに分けパワーバランスを変えた。
メインダイア用、サブダイア,フロア用、背景用分けライティングした。

背景

背景+メインダイア

背景+メインダイア+サブダイア,フロア

セット図
Scene2 Cut1 Lighting

完成カット
Bパートのダイアは基本映り込み用ライトとハイライト用ライトを入れている。
下記セット図の丸型エリアライト。ハイライトを入れるため1発スポットライトを入れた。
HDRIもダイア用、空背景の見た目用として分けた。CGでも、どのシーン問わず
最初に地明かりを決めライティングを決める。

背景用HDRI

背景用HDRI+ダイア用HDRI

背景+ダイア+アクセントスポットライト

背景+ダイア+アクセントスポットライト+フロント映り込み

セット図
Rendering

レンダリングは主にジオメトリ、エフェクト、背景、HDRIと各ポジション事に
分けた。コンポジットの際、調整しやすいよう意識した。デジタルハリウッドで
10-20台のPCを使い毎晩、オールナイトタイムで本番のレンダリングを実行。


Mantraのレンダリング時間が掛かるため、なるべく数値を抑え、ダイアの表現等を
検証し程よい所で設定の折り合いつけた。書き出すに1枚の平均時間が30分、一番長くて
6時間のレンダリングだった。
Composite
カラーグレーディング、2DエフェクトはMAXON ONEのRed Giantを使用した。
その他、細かい所はAfter Effectsを使用。
Scene1 Cut5 Composite

背景

背景+ダイア

背景+ダイア+エフェクト

コンポジット
上記はレンダリングした背景,ジオメトリ,エフェクトをAfter Effectsで合わせ
グレーディングしコンポジットした。

通常

被写体深度

被写体深度+ハレーション
更にMagic Bulletで被写体深度をある程度ぼかした。
ハレーションを加えローコントラストの画像にした事により熱が伝わる絵になった。
Scene4 Cut2 Composite

背景

背景+ダイア

背景+ダイア+トーン

背景+ダイア+トーン+エフェクト

光線

背景+ダイア+トーン+エフェクト+光線 完成
爆発シーンのエフェクトは最初Houdini内で全てなんとかしようとしたが味気ない。
Magic Bulletで白い光線を足したことで迫力がましクオリティが一段と上がった。
このカットでHoudiniだけでなくコンポジットの重要性が、よく認識できた。
Reference
ダイアモンド参考サイト
https://www.gia.edu/diamond-cut/diamond-cut-anatomy-round-brilliant
https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_01_16.html
Aパート パーティクルリファレンス


Schedule




最初に制作するにあたりスケジュールを組み各工程の目処をつくった。
基本スケジュール通りに進んでいたが、レンダリング期間で当初の想定以上に
遅れた。新たにレンダリング期間を設け完成させた。
完成後、時間をあけて映像を見直した。気になった箇所があり再度レンダリング
コンポジットをしてブラッシュアップした。